K式発達検査の検査項目って?

※事前に検査項目を子供に教えるカンニングのようなことはしないでください。ただし、検査項目をクリアできるように意識しながら子育てをおこなうことで、結果的にバランスの良い発達ができる可能性が高いです。当サイトでは、保護者が検査項目を知っておくことは良いことだと考えています。
——————————-

新版K式発達検査は、子どもの心身の発達状態を観察し、支援に役立てるための検査です。K式発達検査は、日本で初めて開発された発達検査として、長い歴史を持っています。1951年に京都市児童相談所の職員であった精神科医の加藤道夫によって開発されました。加藤は、当時の日本における子どもの発達を評価するための標準化されたツールの不足を感じ、日本の子どもたちの発達特性に合わせた検査の開発に着手しました。以来、改訂を重ね、2020年に最新版が公開されました。この検査は、子どもの発達の多面的な評価を目的としており、特に発達の遅れや偏りが見られる子どもの状態を把握するのに有効です。

改定の背景

新版K式発達検査の改定は、現代の子どもたちの発達状況に合わせて、評価基準を更新し、より広範な年齢層に対応するために行われました。この改定により、発達の評価をより正確に行い、子どもたちのニーズに合わせた支援を提供することが可能になります。

評価方法

新版K式発達検査では、子どものパフォーマンスを具体的な課題を通じて評価し、それに基づいて得点を付けます。その時の月齢に対して、もっとも平均的な発達を知れいる場合は100点。月齢よりも発達が進んでいる場合は100点よりも高い数字になります。

評価は子どもが特定の課題をどの程度正確に、または効率的に遂行できたかに基づいています。この得点を通じて、子どもの発達年齢(DA)と発達指数(DQ)が算出され、子どもの発達レベルを把握することができます。

一般的には80点前後を境に、障害を疑うための要因になるとされています。

具体的な検査項目

新版K式発達検査には、以下のような多様な検査項目が含まれています。

積み木を使った形の再現

子どもの空間認識能力と問題解決スキルを評価します。

数字を数える

数学的概念の理解と数の操作能力を評価します。

言葉の復唱

言語記憶と処理能力を評価します。

さらに、新版K式発達検査は以下の項目も評価します。

色や形の識別

子どもが色や形を識別できる能力を評価します。

物語の理解

簡単な物語を聞かせ、その内容を理解しているかを評価します。

模倣動作

簡単な手の動作を模倣できるかを評価し、運動能力と視覚的認識を測ります。

日常生活スキル

食事のマナーや着替えなど、日常生活で必要な基本的なスキルを評価します。

これらの検査項目は、子どもの認知能力、言語理解、社会的スキル、運動能力など、発達の多面的な側面を評価するために設計されています。検査を通じて、子どもの強みと支援が必要な領域を明確にし、個別の支援計画の策定に役立てることができます。

新版K式発達検査は、個別式で実施され、玩具や日常的な材料を使用して子どもの自然な行動を観察します。これにより、子どもの発達の水準や偏りを「姿勢・運動」、「認知・適応」、「言語・社会」の3領域から総合的に評価することが可能です。

新版K式発達検査は、子どもの発達を正確に把握し、必要な支援を提供するための重要なツールです。検査結果を適切に解釈し、子どもの成長を支えるための適切な支援計画を立てることが、子どもの可能性を最大限に引き出す鍵となります。発達検査を通じて、子ども一人ひとりの個性と能力を理解し、その成長を全力で支えていきましょう。