子供が通級にいって後悔した人も…。ママたちのエピソード
通級指導とは、特別な教育的ニーズを持つ子どもたちが、一定時間を普通の学級ではなく、特別支援のクラスで過ごす教育制度です。このシステムは、特定の分野で支援を必要とする子どもたちに、個別の支援計画に基づいた教育を提供します。しかし、この選択が必ずしもすべての家庭にとって最適な選択とは限りません。以下に、親の会で聞いた、「通級に進んで後悔」したママたちのエピソードを紹介します(ご本人には名前を伏せて公開することの許可をとっています)。
エピソード1: クラスの同級生との溝が大きくなったAさん
「私の息子は、小学校入学と同時に言語発達が遅れていることが判明し、通級指導を受けることになりました。最初は専門的なサポートを受けられることに大きな期待を寄せていました。しかし、実際には、息子が通級クラスに行くことで、クラスメイトとの間に距離を感じるようになってしまいました。学校生活が始まって数ヶ月後、息子は「僕、クラスの子たちと違うから友達できない」と言い出しました。通級指導の時間だけでなく、普通級での時間も含めて、彼が孤立してしまうことに心を痛めました。私たちは、息子がクラスの一員として溶け込むことを望んでいましたが、通級を選択したことで、彼が他の子どもたちと異なるというレッテルを貼られてしまったように感じました。」
エピソード2: 通級の先生から細かいサポートがもらえなかったBさん
「私たちの娘は、集中力の問題があるため、通級指導を受けることにしました。私は、通級クラスでより個別の注意を払ってもらえると期待していました。しかし、通級クラスの先生が複数の生徒を同時にサポートしなければならない状況で、私の娘が必要とする一対一での注意深いサポートが十分に提供されないことが明らかになりました。また、娘が普通級に戻ると、そこでのカリキュラムに追いつくのが難しくなってしまいました。通級クラスと普通級の間で学習内容にズレが生じ、娘はますます学校生活に馴染めなくなっていきました。」
エピソード3: 家庭に悪影響が出てしまったCさん
「私の息子は、自閉症スペクトラム障害の診断を受け、通級指導を始めました。最初はこれが彼にとって最良の選択だと思っていましたが、時間が経つにつれて、家庭内での影響に気付き始めました。息子は、通級クラスで学んだ特定の行動や言動を家庭内でも繰り返すようになり、これが家族間の緊張を生む原因となりました。特に、弟との関係が悪化し、二人の間で頻繁に衝突が起こるようになりました。私たちは、通級指導が息子にとってプラスに働くことを望んでいましたが、代わりに、彼の社会的スキルに負の影響を与え、家庭生活にストレスをもたらす結果となりました。」
これらのエピソードは、通級指導がすべての子どもや家庭にとって適切な選択肢とは限らないことを示しています。通級指導を検討する際には、子どもの個別のニーズや家庭環境を慎重に考慮し、可能であれば他の保護者の経験談も参考にすることが重要です。
ADHD傾向ありの小学生息子を育てる母。子供の頃からやってたオーボエは今も現役。猫派。